コンステレーションとは配置、布置という意味です。ファミリー・コンステレーションのワークショップでは 、「コンステレーションを立てる」「代理人を配置する」と表現します。
典型的なコンステレーションは、次のように進められます。
①問題の明確化
• クライアント(問題の相談者)は、ファシリテーターに
問題提起しながら問題の核を明らかにしていきます
②情報収集
• ファシリテーターは、クライアントに家族内でどのような
深刻な出来事が起きたのかを尋ねます
③配置
• クライアントは、家族の代理人をグループの参加者から選び、
家族の関係性にしたがって配置します
④洞察
• 配置によって明らかにされた、無意識下にある家族関係の
特徴(問題)を洞察します
(クライアントは問題を客観的に観ることが可能になります)
⑤展開
• 家族関係の特徴をていねいに観ていくことで、
家族システムの中の「魂のもつれ」を明かにします
⑥ヒーリング
• 家族システム内の秩序を認め、尊重することで、
家族メンバーとしてその存在を認めることで、
受け取ることと与えることのバランスを取ることで、
家族メンバー間で和解することで、
「魂のもつれ」が自ずと解決するように導き、
家族システムに調和をもたらします
⑦再配置
• その家族のひとりひとり(代理人)を、家族システムの中の
バランスの取れた正しい位置に再配置します
⑧受容
• クライアントは、バランスの取れた新しい家族システムを
受容します
⑨完了
• クライアントのバランスの取れた新しい家族システムを
尊重しながら、配置を解きます
アイアムアイ・ホリスティック・ヘルス研究所HPより一部抜粋
http://familyconstellation.jp/fc_procedure_jp.html
まるで、ずっと背負って来た重荷が一瞬のうちに消えてしまうように、ファミリー・コンステレーションを受けた後、すぐにその効果、解放感を実感できるかもしれません。
肺気腫を患い、いつも酸素ボンベを持ち歩いていた人が、ファミリー・コンステレーションを受けた半年後にこんなことを言っていました。
「自分のコンステレーションを立てたその日から、
楽に呼吸ができるようになり、元気になってきました。
もちろん、私の肺が元の無傷な状態には戻らないことは
分かっています。
でも、この今の息がしやすいということと、
前よりもエネルギーを感じられるということで、
私の人生は大きく変わりました。
自分の未来が明るくなりました。」
ファミリー・コンステレーションを受けた直後の劇的な効果、変化がずっと永久に続く場合もあります。しかし、多くの人にとってその感じは2、3週間以内に薄れていき、まるで何も変化がなかったように感じるかもしれません。あるいは、ファミリー・コンステレーションを受けても、何も変わらないと感じるかもしれません。
アイアムアイ・ホリスティック・ヘルス研究所HPより一部抜粋
http://familyconstellation.jp/fc_effects_1_jp.html
<ファシリテーター・川口からのひとこと>
これまでに、ぼくもコンステレーションのワークを受けていますが、この感覚、つまり、劇的な効果・変化があるときや薄れていくとき、何も変化がなかったように感じるときがある、など効果の感じ方が毎回違う、というのは、まさにその通りだと思います。
2018年11月に、ぼくは「本当にやりたいことがあり、そこに進もうとすると、なぜかいつも脇道に逸れたりして向かえない。」というテーマについてワークを受けました。
そのワークを受けて、そのワークで立ち現れたことにはとても納得感、腑に落ちた感覚がありました。また、とても心地よく、体中に暖かさを感じていました。しかし、特別何かが変わった、という実感はしばらくないままでした。
それが2週間ほど経ったとき、突然気づいたことがありました。ファミリーコンスレテーションをファシリテートすること、その場を自分が開催することが、「とても楽しみで仕方なくなっている」ことに初めて気づきました。同時に、これまでは意識のどこかで、「ファシリテートは、楽しんだり笑顔でやってはならない」という気持ち・思いこみがあったことにも気づきました。
ぼくに起きたことは、それでもかなり短期間で、これまでとの違いに気づいた稀な例だと思います。しかし、地中深くで起きている地殻変動や年に数センチだけ動く大陸移動のように、静かに、でも、とても力強い根源的な変化が起きているのだと、私自身のワーク経験および100件以上の代理人経験から実感しています。
ファミリーコンステレーションのワークショップの参加形態は、大きく言うと、①自分自身の課題をコンステレーションで扱う場合、と、②扱わない(希望しない)場合があります。①の場合は「クライアント」「代理人」「見守る人」の3つ、②は「代理人」「見守る人」の2つ、経験することができます。(※代理人を断ることもできるますので、見守るだけで参加するということもできます。)
以下に記載するのは、ぼく(川口)がこれまで体験した200ケース以上のワークを元に実感している効果例です。これら以外の効果を感じる方もいらしゃると思います。全てのワークにおいて、何かしらの効果があるとも限りません。参加の仕方に対する一助になれば幸いです。
ご自身の課題や問題をコンステレーションで扱う(相談する)場合、クライアントとしてワークに参加します。
クライアントとしてワークを行った場合、他の参加形態と最も異なる効果は、自分自身の根源からの変化がある、ということです。さらに書くと、根源からの変化には大きく二つあり、一つはその課題・問題に対する視野が変わるということ。もう一つは、自分のルーツとなる人たち(故人含む)にも変化があるということ。つまり、自分以外の人たちにも影響がある、ということです。
一つ目の「問題に対する視野が変わる」と何が起きるのか。問題に直面していると、苦しさや痛みなどに苛まれ、抜け出せない・離れられない、といった感覚に陥っていることが多々あります。コンステレーションのワークを経験することで、その問題の根本にはどんなことがあり、それがどのように自分自身に影響を及ぼしていたのか、視覚的かつ体感的にも理解することができます。Aしかない、と思っていたものが、実はBという見方もあったのだ、というもう一つの視点を深く実感することで、囚われていた困難さから少し離れることができ、心や気持ち、身体的にも楽になり、ほっとした気持ちが湧いてきます。もし、同じようなことが起きても、気持ちの余裕をもって対応できるようになったりします。もしくは、なぜだか同じようなことが全く起こらなくなります。
二つ目の「ルーツとなる人たちにも変化がある」と何が起きるのか。これは説明することがなかなか難しいのですが、ぼくに起きたこととしては、母親に対してぼくが勝手に感じていた緊張感が自然と緩みました。たとえば疎遠気味で電話等で連絡を取り合うことに苦しさを感じていたのですが、母親から連絡が入ることが増えたり、娘との手紙のやりとりを仲介することができるようになったり。母親は80歳を超えましたが、10年前よりも体調が良くなってきているようです。ぼくの例ではありませんが、10年以上もやりとりがなく険悪な関係だった母親から、何事もなかったかのように、突然電話が入り、お互いの近況報告をした、という方もいました。その後も、一気に仲が良くなった、というのではありませんが、必要な時に連絡を取り合うことができるようになったようです。
クライアントとして自らの問題をワークすると、自分を含めた家系の人たちにも影響を及ぼすことがあるという点が、他の2つの参加形態とは大きく異なる点です。
コンステレーションは、自分の課題を扱わないけれども、ワークショップに参加することもできます。その場合、クライアントやファシリテーターから指名を受けて、誰かの”代理人”としてワークに加わる(場に立つ)ことがあります。
誰かの”代理人”となり場に立つと、なぜだか自分のものとは違う感覚・身体感覚・感情・考えなどが浮かんでくることがあります。あなた自身を失うわけではありません。なので、自分ではない他者が経験していた感覚や感情を実感として受け取りつつも、客観的・俯瞰的にその状態を見つめる、という経験を得ることができます。
代理人として経験することは、時に、あなたの幼少期に体験していたことと近い感覚を得ることがあります。他者の代理人という経験を通じて、かつて感じていた辛さや痛みや恐れなどの”意味”を理解することができた、ということも起こります。
あなたの人生におけるさまざまな出来事に対する洞察を得られやすくなったり、俯瞰的にみる力が付くことにより、感情が揺さぶられるような出来事が起きても冷静に考えることができたりします。
代理人を経験することで、洞察力や冷静さ、安定さ、レジリエンス力など、今のあなたの人生に活かすことができるさまざまな力を育んでいくことができます。
コンステレーションのワークを行うとき、代理人に指名されないこともあります。その場合は、輪になって、ワークを見守り続けること(以下、見守る人)となります。見守る人の役割は、コンステレーションが安全に行えるようにサポートすることです。サポート、と言っても、何か特別なことをする必要はありません。展開されているワークをクライアントや他の参加者とともに、ただただ見守るだけです。
ただただ見守ることは、実はかなり難しいことです。これはどういうことだろうか?この次はこうなるんではないか?と展開や起きていることの意味を考えていたり、時には、自分の人生に起きてきた重大な出来事の再体験となるような場面が現れ、動揺することもあります。そういった考えが浮かんだり、感情が揺さぶられても構いません。それでも、ただただ目の前で起きていることを見守ること。
目の前で行われていることとともにいることで、
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